MW10 癒しの歌声/天地真理 No.12~15


12.小さな日記
 1960年代にカレッジ・フォークグループとして人気を博したフォー・セインツ、1968年(昭和43年)のヒット曲。作詩:原田晴子、作曲:落合和穂、編曲:宮川 泰。
 天地真理は、自身8枚目のアルバム「恋と海とTシャツと/恋人たちの港」(1974.6.21)の11番目の曲として歌っている。
 「小さな日記につづられた 小さな過去のことでした/忘れたはずの恋でした/山に初雪ふるころに 帰らぬ人になった彼・・・」と恋人への別れを切々と悲しむ有名な曲。
 なぜか、1964年(昭和39年)の実録を基にしたヒットドラマ「愛と死をみつめて」(歌:青山和子)が想い浮かぶのは時代的な空気が似ているからか。
 このアルバムを発売した時期、絶頂の人気を誇っていた天地真理。しかし、彼女はこの詩の世界に没入し、悲しく切ない旋律を、やさしく丁寧に、かつ白い雪をかぶった山脈が遠くにくっきり見えるような透明感いっぱいに歌っている。


   天地真理PB04-1-200


13.冬物語
 作詩:阿久悠、作曲:坂田晃一、編曲:森岡賢一郎
 天地真理5枚目のアルバム「若葉のささやき/さよならだけ残して」(1973.4.21リリース)の3番目の曲。
 フォー・クローバースが歌った日本テレビのドラマ「冬物語」(放送1972.11~1973.4)の主題歌。夫に先立たれた未亡人(朝丘ルリ子)と男性(原田芳雄)との恋愛物語。
 「こがらしは寒く 乗りかえ駅に 行方知らぬ 旅がつづく」で始まる悲しい歌詞。「立ちどまる女(ひと)は巡礼のよう」という印象的な言葉が散らばる。最後の「春は近い 春は近い 足音が近い」が良き訪れを期待させる。
 原曲に劣らず、若き天地真理は丁寧なファルセットで、淡々と張りつめた冬の空気、春を待つ男女の恋する心情を綴っている。

   KANBA.2さん 天地真理/冬物語 歌詞付

14.家に帰ろう
 作詩:千家和也、作曲・編曲:宮川 泰。
 天地真理4枚目のアルバム「明日へのメロディー」(1972.12.21)の10番目の曲。
 このアルバムは全曲オリジナルで、ヒット曲「ふたりの日曜日」や名曲「夏を忘れた海」、「オレンジ色の旅」などから構成された。アルバムのタイトル「明日へのメロディー」とは、第2曲の「思いでの足音」の詩の一節で、夢と希望をもった彼女らしいタイトルである。
 「お家へ帰ろうかな 夕焼けの中・・・」で始まるこの曲は、彼との楽しいデートは、気付くともう夕暮れ。「笑ってさよならするつもりなのに あなたにだけは 私のさびしさを見つけられるの」と、微妙な女心、夕暮れの寂しさを歌っている。
 「あなたは右の道 私は左/離ればなれ ここは曲がり角」と、何気ない歌詞をのびやかなファルセットで歌う。そして、「ちょっぴり悲しい ひとときだけれど/あなたにだけは叶えてほしい 私のわがままを」と願う。
 彼女によって恋人たちの夕暮れ時はまるでドラマのように映し出される。愛をもとめる上品な女性の心の機微を丁寧にやさしく歌っている。天地真理ワールドを表わす隠れた名曲と感じられる。 
 
15.涙は明日に(作詩:北山修,作曲:杉田二郎)
 フォークの人気作者、北山修と杉田二郎の作品。オリジナルは、「戦争を知らない子供たち」のヒットで知られるジローズ(杉田二郎と森下次郎)が歌った。
 仮想CDに収めた歌唱は、天地真理ファーストアルバムの第4曲で、編曲は青木 望。
 きのう花束をつんでいたあの人も故郷を捨て、きのう泣いていたあの子も母親になって子守歌を歌う。・・・時計の針は戻せない、(あの頃は)帰ってはこない・・・。天地真理が、しゃくりあげるように歌う「だけど君が泣くウ!のは今じゃない 涙は明日に 明日に・・」は、ジローズの歌い方をさらに強調した独特な歌唱法で、曲に若々しい勢いをつける見事なもの。滝を上る鯉のようでもある。
 編曲も冒頭の衝撃的なピアノの響きと、船が波しぶきをあげて進むようなトランペットやパーカッションの躍動的なリズムが、生き生きとした青春の「生」を、前向きな未来を表現していると思われる。

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明るき癒しの歌声、天性のファルセットを紹介し、悩める日本人を応援します。

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