MH13 昭和48年(1973) 天地真理第3年/篠山紀信


 真理さんの公式HPに告知がありましたが、わが娘たちのいない「ふたりの日曜日」、いきつけの書店で、中央公論5月号を買いました。この号で「アイドルが輝いた頃」が特集され、天地真理さんの写真も一枚ですが掲載されています。
 普段、時折目を通す雑誌は、週刊ポスト・文春や新潮等の週刊誌、時に文芸春秋ぐらいですが、中央公論は意外とまじめで良いですね。メインテーマは「現代日本人は何を求めているか」で、さまよう宗教心、本物の時代劇不在などの記事が続き、シリーズ戦後70年日本を問い直す(第5回)ではアイドルを取り上げています。また、原油安を侮るなの記事もいいですね。時代をちょっと引いて俯瞰するところが、文芸春秋と違うところでしょうか。

 中央公論2015年5月号目次-200

 アイドルは時代の鏡篠山紀信中央公論2015年5月-200

 篠山紀信さんの記事は、「天地真理、南沙織、山口百恵、桜田淳子、松田聖子・・・”激写”する僕も一緒に時代を駆け抜けてきた」と題しています。激写したアイドルの代表格筆頭に天地真理さんとは、真理さんさすがですネ。
 篠山紀信さんは南沙織さんの夫。真理さんの記述は短いのですが、沙織さんから真理さんの近況を聞いているのでしょう、落ち着きがあります。


中央公論2015May篠山紀信-200
朝もさわやかな真理さん(中央公論2015年5月号,篠山紀信)

キャンディーズ&天地真理/空いっぱいの幸せ 1973

Taka Makiさん 色づく街/南沙織 1991

 アイドル国家5中央公論2015年5月号-200

 二番目の寄稿は、国際大学GLOCOM客員研究員の境真良氏(経済産業省国際戦略情報分析官、著書に「アイドル国富論」あり)。ここで、氏はアイドルの時代は、「十代の少年歌手、少女歌手がマスメディアを席巻する現象」ととらえ、1971年の南沙織の誕生が、始まりだとする考えを示している。南沙織のデビューは沖縄返還直前、1964年の東京オリンピック、1970年の大阪万博を経て、敗戦の痛手から脱却した日本で、当時の若者を中心とした消費者の心をつかんだ・・・と解説する。
 また、歌も演技も不完全な若いアイドルを、自分たちと同年代の代表ととらえ、その成長、メディアでの活躍を応援する・・・今のAKB戦略と同じ手法が始まったとする。80年代、90年代、そして現在のアイドル群像を細かに解説し、まとめとして、「アイドルは、この市場経済という辛い現実を普通の人々が平和裏に生き抜くために、人々の精神を支えるべく、日本社会が生み出した社会インフラだと評価できないだろうか。」としている。

 フムフム、そのような社会科学、経済学的解釈も面白いですね。中三トリオ、アグネス・チャンあたりから本格化し、おニャン子、モーニング娘、AKB48、ももいろクローバーZに至るアイドルの系譜を鑑みると、初代・国民的スーパーアイドル「天地真理」さんは、音大付属出身のピアノとギターで弾き語る、クラシック歌唱法の歌手で、二十歳直前にデビューのため上記のアイドルの定義からはずれることが分かります。むしろ「第二の天地真理」のキャッチフレーズもあった浅田美代子さんが本来のアイドルにあたるでしょう。

 天地真理さんは、デビュー時、有望視されたフォークの新人で、ファーストアルバム(1971年12月)が、「結婚しようよ」を大ヒットさせた吉田拓郎氏のアルバムを抑え、1972年の年間一位を獲得しました。それが、日本の敗戦からの立ち直りと高度成長期が本格化した1970年(昭和45年)以後の社会情勢下、渡辺プロの「アイドル戦略」によって路線変更し、国民的スーパーアイドル第一号に抜擢されたのです。真理さんは、心優しく、「カメラマンが歓ぶので、カメラの前ではいつも笑っていました」とおっしゃる、お嬢様学校(ご本人の表現)の出身で、言葉遣いに品があり、素直な性格。年齢的には実力派歌手の道が良かったかもしれませんが、アイドル路線に選ばれ素直に順応したのでした。

 最後の記事、各界識者の「わたしたちの好きなアイドル」アンケートでは、某東大教授が、南沙織さんをあげながら、「その後に歩んでいる人生に身を切られる思いがするのが天地真理。現在はファンの集いにも表れないが、いったい何を見てしまったのか。背筋が寒くなる。」とコメントしています。正しくは、東京と京都のファンの集いには出席される真理さんですが、ネットでも知りえる知識を、真理さんのアイドル後の厳しい波乱万丈の来し方を、短い文章で上手に表現されています。
 
 以上、ちょっと長くなりましたが、ラグビーではありませんが、「されど、心優しく天性の美声、天地真理」と強く思い、天地真理応援隊東北師団一兵卒として気持ちを新たにする、戦後70年、平成27年(2015)の今日この頃です。なんちゃって。
(2015.4.19編集)

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No title

『中央公論』、わたしは書店で立ち読みしました^^
もう少しして、図書館でコポーでもしようかな^^

不完全なところがアイドルの魅力なら、天地真理さんは、あまりにも完成されていましたね。うーん時代の象徴的存在。「天地真理の前に天地真理なし。天地真理の後に天地真理なし」ですね。

しんりさん。お元気!

コメントありがとさんです。最近読んだ、歴史ものの解説、ゼロ戦も戦艦ヤマトもアイドルも、東大での若手が多いですね。彼らも意外とミーハーですね。ブログの紅白の記事でも書きましたが、真理さんは、アイドルが歌手をしているのではなく、歌手がアイドルしちゃおかなっていうノリだったかも。

早速、読んでみます。

こんばんわ、ハトが居る公園さん。熊五郎です。
本日23日は、やっと暖かい春が来たような天気でしたね。
へえ~、中央公論が、アイドルについて論じることもあるんだ。興味深々です。
我々の青春時代70年代から論じているのが嬉しいねえ~。
早速、明日本屋で読んでみます。ご紹介ありがとう!

Re: 早速、読んでみます。

熊さん、しんりさんも、皆さん興味津々ですね。

今年は戦後70年、この前、TBSのアイドル特集で真理さんのレコード大賞大衆賞の
「ひとりじゃない」のが映されましたね。

真理さんはアイドル後、波乱万丈で、テレビに映されない時期が続きましたが、
もう、かつてを知る年代は、我慢ができないですねぇ。N○Kさん、視聴料金払わんよ!

高度成長期に、個人の自由を犠牲にして、ファンのために頑張った、笑顔を振りまいた、
そして、歌上手いのに正しく評価されていない真理さん!

団塊の世代も、続く我々も、いいものを、いい人を、メディアは取り上げてほしい。
がんばって働いた日本人の心に、真理さんの数多のやさしき歌声を届けてくだされ!

今年は、そうゆう年になるといいですね!

天地真理に国民栄誉賞を^^

そうですね。スポーツでいえば、卓球の福原愛やスケートの浅田舞もその実力があってこそ、スポーツ界の国民的アイドルとなったのです。ただかわいかっただけで人気がでたわけではありません。スポーツの場合、実力がなければ評価されないわけで、スポーツに「アイドル」という分野はありえないでしょう。ただ最近は美人アースリストが週刊誌などでもてはやされることは多いようですが^^

「歌がへたでも・・・かわいければ・・・」という歌手のひとつのジャンルとして「アイドル」という音楽市場ができあがっていったのですね。第2の天地真理で売り出した浅田美代子こそ、そういう意味でのアイドル市場、アイドルビジネスのはしりだったということになるのかなと私も思います。それが今日的なAKB戦略となっているのでしょうね。

歌手天地真理が、アイドル天地真理となった。その存在が、アイドルビジネスは儲かるというアイドル市場ができあがる上ではかり知れな影響をあたえたと思います。そういう意味でも歌姫であり、アイドルとなった天地真理は、もっと尊敬の念をもたれてしかるべきであり、もっと高い評価がなされなければならないと思いますね。その後のアイドルビジネスがつくりだした「アイドル」とはまったく異質の存在だったはずだと思いますけどね。

わたしが内閣総理大臣なら(ありえないことですが)、国民栄誉賞、天地真理さんに贈ります^^その後の多くの「アイドル」が生まれることになったのは、彼女の存在があってのことですから^^

Re: 天地真理に国民栄誉賞を^^

> 歌手天地真理が、アイドル天地真理となった。その存在が、アイドルビジネスは儲かるというアイドル市場ができあがる上ではかり知れな影響をあたえたと思います。

わたしもそう思いますね。少なくとも、経団連や経済産業省から「初代・国民的スーパーアイドル天地真理」として真理さんの貢献をたたえる表彰がほしいですよー。真保さんやショウさんはどう思うかな?
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Author:hatogairu kouen
明るき癒しの歌声、天性のファルセットを紹介し、悩める日本人を応援します。

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