MR34 天地真理さんの大人の歌ってなんだろう?


  天地真理さんのレコードセールス、破竹の勢いはデビューから二年経過して一段落し、1973年12月5日発売のアルバム「空いっぱいの幸せ/オリジナル・ポップス&フォーク」がオリコン最高位11位、初めてのトップ10外となりました。(そうは言っても11位は大したものでしょう)
 このころは、萩本欽一さんの司会が人気の日本テレビ「スター誕生」で選ばれ、今でも有名な中三トリオ「森昌子・桜田淳子・山口百恵」が活躍し、その後、中高生の若いアイドルが大量発生して、アイドルは10代後半までの様相が確立した感がありました。このため、先にデビューしていた新・三人娘も、小柳ルミ子さんが「恋の雪別れ」を、南沙織さんが「色づく街」を歌い、大人の歌手へ路線を変更していきました。

     真理さんレコーディングかな

 天地真理さんはというと、1972年10月からはじまった冠番組「真理ちゃんとデイト」のシリーズが、半年でタイトルを替えながら依然子供たちに大人気で、結局、二年半、1975年3月まで続きました。このため、渡辺晋社長のこだわりのみならず、1973年の大人の歌手へのイメチェンは困難な情勢でした。シングル「空いっぱいの幸せ/もの想う季節」は当初、憂いを帯びた「もの想う季節」がA面の候補だったことは、ファンの中では知られたことでした。真理さんの大人の歌は、翌1974年2月の「恋人たちの港」で試みられ、さらに9月発売の初めてのバラードと言われる「想い出のセレナーデ」で、「空いっぱいの幸せ」から一年後に実現されたのでした。
  
 ところで、真理さんの一時休業は1977年1月23日からで、東京の芝ABCホールの復帰コンサートは1979年10月15日でした。この間、2年9か月。 休業の前年、1976年は、4月にコンサート「私は天地真理」を行い、6月に同アルバムを発表。12月に、現在、最後のオリジナルアルバム「童話作家」を世に出しました。ちなみに、同年のシングルは4月に矢車草、7月に愛の渚、12月に夢ほのぼの(TBS水曜劇場挿入歌)でした。
 真理さんは、復帰後、3枚のシングルを出しました。ファンの皆様はよくご存じのように、1979年12月に「愛・つづれ織り/旅人は風の国へ」、1980年9月「初恋のニコラ/不器用な女(ひと)」、そして1983年(昭和58年)2月に、現在最後のシングル「私が雪だった日/今は想い出」でした。また、復帰後のオリジナルアルバムは、まだありません。

 ここまで、書いた私の疑問は、「天地真理さんの大人の歌ってなんだろう? 」ということです。昨年YTにアップされたItoさんの貴重な動画によると上記のABCホールの復帰コンサート直後、真理さんはレポーターから「今後歌ってみたい歌は?」と聞かれて、バラードと答えていたと記憶しています。しかし、私の疑問は昨年発売された天地真理ゴールデン☆アイドルの二枚目を最後まで聴いて浮かび上がりました。復帰後の歌は、バラードで行こう等の確固たる方針はなく、大きな迷いがあったように感じられます。「初恋のニコラ」は確かにバラードで名唱でありますが、真理さんの優しさが影をひそめています。真理さんの名唱の特徴は(音楽学校出身の、クラシック的な)歌の上手さで聴く人を圧倒しない、「どう、うまいでしょ!」という歌い方はしない、聴き手に寄り添う優しさが必ずあるような気がします。

 プレミアムボックスの全アルバム曲を聴いていると、真理さんは二十歳になったばかりのファーストアルバムから大人の歌を歌っており、後のオリジナルアルバムにも、彼女の優しさを色濃く出した大人の歌、いわゆるバラードがきらきら輝く星のようにちりばめられているように見えるのです。とくに、熱心なファンの皆様のブログ名やハンドル名には、お気に入りの歌の名前が使われています。思い出の足音、もの想う季節、ひこうき雲、さくら貝、愛つづれ織りなど・・・・。これから、「真理さんの大人の歌とは?」を真理さんの歌を鑑賞しながら、少しずつ考えたい、というか、感じたいと思っています。



   『思い出の足音』
   オリジナルアルバム4th 「明日へのメロディー」 1972.12.21
   作詩:小谷 夏,作曲:菅原 進,編曲:青木 望

   小鳥も来ない朝 ひとりぼっちの朝
   私は 木漏れ日の庭先に出て
   パステルカラーの アルバムひらいて
   思い出の足音を 聴いています
    今日という日があるのに
    どうして人は思い出の中へ
    帰っていくのでしょう
     話して 誰か話して
     ひとりぼっちの私に
     話して 誰か話して
     ひとりぼっちの私に
     話して

   夜明けを待ってる夜 ひとりぼっちの夜
   私は 屋根裏の小さな部屋で
   初雪色の ギターを抱いて
   「明日へのメロディー」を歌います
    なん度さよならを言っても
    どうして人は新しい夢を
    探しつづけるのでしょう
     歌って 誰か歌って
     ひとりぼっちの私と
     歌って 誰か歌って
     ひとりぼっちの私と
     歌って
  
   (注)「 」加筆

  真理さんは、二番目の「夜明けを待ってる夜」で、躍動感のある歌声です。初雪色のギターを抱いて、アルバムのタイトルとなった「明日へのメロディー」を歌います、と続ける。アイドルソングとは一味違う、21歳、等身大の大人の女性の歌。真理さんは、「ひとりじゃないの」を作詩してくださった小谷夏氏(本名 久世光彦)の歌に、力がはいりますネ。

[引用] デビュー2年、アルバム「空いっぱいの幸せ」について
      天地真理プレミアムボックス解説文,pp15-16.

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