MW25 映画「この世界の片隅に」心につきささりました


 今話題のアニメ映画「この世界の片隅に」は、片渕須直監督、漫画家こうの史代原作、主演声優 のん(本名:能年玲奈)で、戦時中の広島県呉市(東洋一の軍港、呉海軍工廠のある港街)に嫁いだ「すず」さんとその家族の日常を描いた物語です。

 仙台でも二館でしか上映していないため、週末はさけて、12月1日の会社帰り、夜9時ごろからの上映を見ました。仙台駅東口、100名に満たない一室、ミニシアター。若者を中心に画面の見にくい第一列を除き満席でした。全国では上映後、拍手喝さいが湧き上がったとの報告もありますが、東北人は、仙台の若者もシャイなのか、小さく拍手したのは私とほかのお客さんの二名ほどでした。全員が、制作資金の援助をされたクラウドファンディングの名簿の表示が終わるまで、静かに画面を観て、余韻に浸りました。

 このアニメ映画は、ほのぼのとしたシーンやユーモアにあふれた作品ですが、私には珍しく、翌日、その翌日と、思い出しては号泣したくなるほど、何故か深く心に突き刺さる作品となりました。

  「この世界の片隅に」公式ウェヴサイト

  吉永小百合さん「この世界の片隅に」を語る
 
  #jamtheworld 「この世界の片隅に」 20161213 #jwave

  この世界の片隅でトップ03

 浦野すずさんは、18才で広島から呉にお嫁に来ました。海軍関係に勤める北條周作氏に見初められて・・・

  映画『この世界の片隅に』予告編 シネマトゥデイ

  軍艦と呉この世界の片隅で

 呉は、広島の近郊。三方が山に囲まれた天然の良港で、防御にも適した地形です。国内屈指で東洋一といわれた軍港で、呉海軍工廠がありました。戦艦大和はここで海軍によって建造され、同型艦・武蔵が、大和の設計図を基に長崎港の三菱重工業(株)長崎造船所で作られたのです。建造後、武蔵も呉港を母港とし何度も修理や改造、給油の為に寄港し、大和と武蔵が並び停泊したことがあったようです。長崎への原子爆弾は長崎造船所を狙ったものともいわれ、広島と長崎は確かに深い縁があるものと思われます。

  In This Corner of the World (Trailer)

  なんでもたべねばならぬのじゃ

 野草の数々、大葉、はこべら?「なんでもたべねばならぬのじゃ」・・・母からも聞いた戦時中の日常でした。それでも、すずさんは、えらいです。いつも、楽しく、朗らかにごはん支度をします。戦時中、庶民は心こそ、まけちゃいられません。若奥様、心意気が可愛いですなぁ~。

  楠公めしnon10

 楠正成公のごはん増量作戦、楠公めし(なんこうめし)。のんちゃんの語り口も楽しく、調理法を解説します。ただ、お米をあの手この手でふやかすように増量させますから、おいしく調理するのは難しいのでしょう。誰一人、おいしいと言わないよ~。

  戦時中の元原爆ドーム

 広島市内の旧広島県物産陳列館、きれいですね。現在の原爆ドームです。広島県物産陳列館は、1910年(明治43年)に広島県議会で建設が決定され、5年後の1915年(大正4年)に竣工した、歴史的な大正建築だったんですね。

  絵描きのすずさん

 すずさんは、子供の時から絵が上手。まるで、絵描きです。戦局が悪化する中、軍港の町は何度も空襲を受け、すずさんは大切な可愛いめいを失います。また、自らも大切な右手を失い画が描けなくなるのでした。日本各地にあった米軍機の激しい空襲による一般人の被害の象徴として描かれているのだと思います。

  広島の街

 片渕監督の熱意に影響され、呉市と広島市の方々が、映画つくりに協力しました。かつての街並みとそこにいた家族を、作画に反映させた、細やかな映画つくりが行われました。

  かけがえのない日常 (この世界の片隅に)

  戦い終りて518957_615

  戦い終りて・・・呉の実家に帰る北條周作氏とすずさん、広島から連れてきた女の子・・・

  コトリンゴ /「 悲しくてやりきれない 」

 主演声優、すずさんの声は、のん(本名:能年玲奈)さんです。兵庫県出身の彼女は、御存じのように、東日本大震災後、2013年のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」で主演の天野アキを演じ、震災でひどく傷ついた三陸の人々を楽しく笑いで励ましてくれて、同時に全国的にブレークしました。この映画を観たいと思った動機は、彼女を、事務所との関係がこじれて苦労しているここ数年、陰ながら応援してきたことが大きな要因です。しかし、身近なところ、90才になった私の母も三陸海岸の製鉄所のある街でアメリカ軍の艦砲射撃の中、生き延びました。だから、共感しているのでしょうか。

  広島にてのんちゃんと監督

 原爆ドームの見えるテラスから、片渕監督とのんちゃんです。

  舞台挨拶この世界の片隅で001

 舞台挨拶、大きなフリップの「大ヒット上映中」が現実になろうとしています。ブレイクって良いものですね。

 朝日広告この世界の片隅で161112

 おわりに、少々長いですが、今回は珍しく民放のように骨のあるところを見せているNHKによる紹介を二三あげてみます。

  NHK特集ダイジェスト 映画「この世界の片隅に」 こめられた思い

  おはよう日本「この世界の片隅に」特集

 今後、すでに海外での上映が決まっているとのことです。

  In this Corner of the World - Imagine Nation - WORLD TV


【 追 記 】
 1月9日、仙台の北の郊外型映画館で「この世界の・・・」を観てきました。二回目でしたが、一回目にない冷静な心で観ました。朝9:50からの上映、200~300名余りの部屋で、前2列を除き満席でした。
 やはり、のんちゃんは好演ですが、他の方も絵もストーリーも全体的に良い映画ですね。メッセージがあります。平凡でも楽しい日本の一地域の日常に降ってきた戦争、禍ということ。考えさせられます・・・いろいろと・・・
 観に来ている方の年齢層が幅広い感じです。子供からおじいちゃん、おばあちゃんまで・・・。どこかで聞いた、有名な国民的アイドルの形容詞ですね・・・。三陸の母にも見せたいです。終戦時、二十歳でしたから・・・

 公式ガイドブックも正月明けに買いました。細かな絵コンテや、インタビュー記事が豊富です。

  公式ガイドブック表紙DSCF7928

  公式ガイドブックDSCF7927

  こうの史代DSCF7926
  原作者 漫画家・こうの史代さんのインタビュー記事もあります。

 映画を観て感動された女性がギター弾き語りをUPしています。彼女は心ですずさんに話しかけています。あるいは、実の祖母に話しかけているのでしょうか。

 再UP 悲しくてやりきれない『この世界の片隅に』オープニング・テーマ曲COVER

(おわり)

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No title

 「君の名は」より、「この世界の片隅に」をわたしも見に行きたいと思ってしたが、上映されてる映画館少ないですね。ハトがいる公園さんの紹介を読んで、何とか今年中に見たいという気持ちが強くなりました。あとは自分の時間と上映時間次第かな^^

のん(本名:能年玲奈)さんと事務所の関係等少しは週刊誌の立ち読みで知ってますが、がんばってほしいと思たりしてました^^真理さんもそうでしたが、才能がある人をつぶすようなところ、芸能界ってあるのかな?

Re: No title

しんりさん、「この世界の片隅に」いいですよ。楽しさや切なさや、戦時中、若かった自分の母を見るかのようです。
能年玲奈さんも斎藤真理さんも、明るく人柄がよく、みずみずしくて、子供、若者、おじいちゃん、おばあちゃんに人気です。

のんちゃんが、干されて、本名の芸名も変更させられる。芸能関係者とか芸能評論家は、賞味期限だとか事務所との関係を取沙汰していますが、田舎育ちの私にはどうでもいいことです。千年に一度の大津波後、毎日、朝ドラで、笑わせてくれた、楽しませてくれた、励ましてくれた、能年玲奈と皆さんに、多くの東北人が感謝しています。それが、なんでいけないの。ジャンジャン使う電力の重要な供給源、本格的な原子力発電所を、関東に一基も作れない東京電力のある街の、お偉い評論家さん方、あほチャイ万年、パーマンかな?

上映映画館が増えています

私は、「君の名は」も見ましたが、文化的質の高さ、深さでは、この映画の方が、はるかに優れていると思いました。過去を振り返り、これからの生き方、人生を考えるという点において、深いものがあります。
知人も、「君の名は」では泣かなかったが、この映画では泣けて仕方なかったと述べています。

この映画はクラウドファンディングで最高額を集め製作された映画ですが、あまり広告しなかったので、上映映画館や上映期間が限られてきました。
でも映画の質の高さから、ぴあ映画初日満足度ランキングでは第1位を獲得。上映映画館は全国で3倍となり、期間も長くなりました。

宣伝や、上からの力で押しつけるのではなく、民の力で、「のん」さんとともに、映画を押し上げていくことをうれしく思います。応援し続けます。

Re: 上映映画館が増えています

熱烈ファンさんは、映画館で「この世界の片隅に」をご覧になりましたか。
私は、まだ12月の1回だけですが、先日、絵コンテや解説の多い公式ガイドブック(約100頁)を書店の山積みから買いました。
まだ、公開しているのでもう一度観たいと思っています。複数回見たいと思ったのは「タイタニック」以来です。

映画館で見ました

この世界の片隅には、映画館で見ました。私も、家内も泣きました。
原作者のこうのさんは、手塚賞を取った漫画家ですが、悲しい漫画が多いので、あまり周囲に勧めることができませんでした。でも、この映画は、悲しみを押し包んで、前を向いて生きようとする作品なので、皆に勧めることができます。悲しみを押し包んでいることが、悲しくさせるのですけどね。

Re: 映画館で見ました

> この世界の片隅には、映画館で見ました。私も、家内も泣きました。
熱烈ファンさん、これは失礼しました。先のコメントがご友人の感想が目立ったものですから・・・
片渕監督は、のん(能年玲奈)さんの主演声優を、あまちゃんの活躍を見て、希望していたとのこと。
のんちゃんは、ああ見えて、東日本大震災の大津波の跡を、三陸海岸を北の久慈から南に下ってみています。
本当の現地の姿はテレビ画面では荒涼さが分かりません。彼女には被災地の多くの普通の人々と交流し、会話をしています。
彼女の温かい話し方から、見る人に明るい笑いやほのぼのとした癒しを与えたいという女優魂が分かります。

多くの人に好かれて全国的な人気者になる方は、共通したものがありますね。
天地真理さんはその先駆者ですから、日本人には大切な方だと思います。

観客動員数150万人突破

音楽賞も受賞。
観客動員が150万人を突破したアニメ映画「この世界の片隅に」。そのヒットを支えた1人が、映画で音楽を担当した女性シンガーソングライター・コトリンゴさん。
悲しくてやりきれないは、私が高校2年のときに聞きました。でも、フオーククルセダースとは違った雰囲気の歌い方です。
他にも、主人公すずさんの内面をあらわす優しい曲になっています。静かに、平和を伝える映画が広がってほしいです。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20170217-00000023-nnn-soci

Re: 観客動員数150万人突破

tenchimassugu さん 「この世界にの片隅に」の片渕監督、プロディュース会社、のんちゃん、コトリンゴさん、受賞の嵐ですね。確かに音楽もいいですね。日本でこのブームが去っても、世界で次々上映される。国内の反響が一段落して、本当の真価が問われる作品だと思います。
 その意味では天地真理さんの歌も同じでしょう。昨晩もある民放BSで1972年の流行歌として「青い三角定規」を特集していましたが、さすがに歌謡界の世相として天地真理さんの「ひとりじゃないの」と小柳ルミ子さんの「瀬戸の花嫁」について短く、ジャケットや曲を流していました。メインの歌手がやはり特集されるのはこれからだと思います。本物を特集した番組が見たいのですね。当時を知る世代はです。
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Author:hatogairu kouen
明るき癒しの歌声、天性のファルセットを紹介し、悩める日本人を応援します。

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