MR91 「若葉のささやき」に見る天地真理の歌唱の変化

 
 昨年から、小生が初めてみる天地真理さんの歌唱動画がネット上にアップされていて、「若葉のささやき」など同じ曲でも天地真理さんの歌い方が変化している、異なっていることが分かります。

 この意味するところを思いはかっていると、天地真理さんの人気が女性ブロマイド販売年間第一位になった1973年(昭和48年)の空前の国民的アイドル人気、テレビCMや関連商品など急速に商品価値を上げて行った天地真理のスーパーアイドル化の影響ではないのかという仮説を思いつきました。この仮説の検証として、現在Y.T.やF.B.で公開されている天地真理さんの歌唱動画を少し考察してみたいと思います。

 以下の素材は、主に、「はじめに【今月のおすすめ動画等コンテンツ】」から転載します。なお、この「今月のおすすめ動画等」は、毎月、特に前半を書き改めます。ブログトップ記事からリンクできますので、よろしかったら気の向いたときに覗いてみてください。

若葉のささやき_全員集合021
人気番組ドリフの8時だよ全員集合で「若葉のささやき」を歌う
若葉のささやき 天地真理 (1973) /pokoさん

(A)【30才台とみられる時期の天地真理オンステージ】

 天地真理 「水色の恋」から「若葉のささやき」 2度目のカムバック後くらい
 大人の雰囲気の天地真理さんです。アイドルソングのみの歌唱ですが、ちょっと艶っぽいのですね。このステージの収録年月日が明らかにされていませんが、真理さんの結婚期間は昭和61(1986年)年9月から平成8(1996)年の約10年間。このステージのとき奥様だった様にも見えますが、動画の題名にある「二回目のカムバック後くらい」が確かであれば、1982年9月の再々デビューから1983年2月1日の「私が雪だった日」をリリースした頃という推定が出来ます。真理さんは31才ぐらいだったのでしょうか。


「若葉のささやき」を手拍子で 上記動画 4m47s(287s)より

 真理さんは、ご自身の大好きな歌として、ここ数年、ファンクラブ公開のインタビューなどでは「水色の恋」や「虹をわたって」をあげていますが、「若葉のささやき」をあげることはないのでしょうか。山上路夫氏の格調高い詩と森田公一氏の明るく甘い香りのする短調。真理さんは手拍子で明るく歌っています。「愛はよろこび それとも涙・・」、この頃、ボイストレーニングの不足はいなめませんでしたが、ともかく「恋することで少々涙しても明るく明るく」と歌いかける余裕がありました。

(B)【1973年12月のレコード大賞編曲賞ステージ】

 '72-75 天地真理 ヒットパレード/第十三倉庫さん
 最近アップされた鮮やかな動画像。当時のカラーテレビも確かにこのぐらいはきれいでした。驚きのアップ動画です!


1973年12月31日 レコード大賞編曲賞 「若葉のささやき」 竜崎孝路
 上記動画 1m26s(86s)-2m52s(172s) より

 このレコード大賞編曲賞のステージは、最後のフレーズはやさしく美しいファルセットで歌ういつもの真理さんですが、前半は拳を握るかのような、ガッツな心意気を示す歌い方ですね。

 次は同年、昭和48年(11月)の日本歌謡大賞(ノミネート曲)のステージです。
 残念ながら受賞はなりませんでしたが、天地真理の絶頂の人気を示す有名なステージパフォーマンスです。このステージこそ、ガッツ石松氏のガッツポーズを連想させる元気いっぱいのステージとなりました。
 軽井沢のファンと一緒のテニスイベント、大ヒットでライブの歓声の波また波、真理さんはファンへの大きな感謝を込めて歌っている、「ふたりの夏よ 消えないでね どうかずっと・・・」、真理さんは心底うれしくて歌い切った感じです。

 恋する夏の日 天地真理 1973年 日本歌謡大賞

(C)【昭和48年10月10日読売ランド 天地真理ショー】

  中島志津男氏の貴重なFace Book投稿動画より。   

  天地真理_若葉のささやき_よみうりランド002

  中島氏F.B. 天地真理/若葉のささやき 1973.10.10 よみうりランド

 聴衆の反応が大好きな真理さんはTVスタジオより、コンサート、ライブが好きという発言をされます。この若葉のささやきはしっとりと詩の意味を大切にして歌っていますが、この動画の最後ではステップを切りながら前に進む、前進あるのみというような恋に悩む若者を励ます、いわば「応援歌」となっているような感じがします。

  恋する夏の日テープ031

  恋する夏の日テープ011

  中島氏F.B. 天地真理/恋する夏に日 よみうりランド

 聴衆の若者たちの興奮が手に取るように分かります。テープの飛び方が一直線でえらく勢いがあります。真理さんは、とっさに赤いテープに身をかがめますが、大勢の聴衆の歓びを目いっぱいに感じて、体を上下させ歌い続けます。とても、発売日前後のダンスを忠実に行う余裕はなかったのではないでしょうか。

(D)【TV真理ちゃんシリーズにおけるリリース前後の初々しい歌唱】

 次の作品、見慣れたファンにもおそらく真理さんにも大切な動画ですが、真理さんのファルセットが特に美しい作品です。



新曲「若葉のささやき」天地真理 (1973)/Mr.takebayashinosita

 竹林の下さんのアカウント名で有名な真理さんの歌唱動画。外国人のファンもいる小生もっともお気に入りの美しいファルセットとやさしい人柄が表現された最優秀作品の一つです。作詞者の山上路夫氏は、真理さんを評して「言葉を届けてくれる歌手」と手放しの評を贈っているそうです(雑誌「昭和40年男」2016年8月号,p111)。実に格調高く、かつ優しさ満開の美しい歌声を披露した天地真理さんでありました。
 
 この歌唱の放映は、「新曲」とテロップにあることから、3月21日のリリース前、あるいは直後と思われます。このように真理さんの美し歌唱は、レコードの吹き込み時にすでに完成しており、後日のステージは、もしや「クラシック歌手のごとく気取っててはいけないわ」という気持ちで、ファンの熱狂に合わせて楽しく、あるいは子供たちにも親しみやすく歌っているような気がいたします。



 再生数の多さにびっくりするエバ師匠の投稿動画です。
 この時は、格調よりアイドルらしく明るく優しくとの思いで真理さんは歌われているように見えます。もしかすると、この動画の歌いは、上記の動画の後日のものではないでしょうか。(原画 1973.3.15あるいは5.24の放送からの可能性あり)

 こちらはご存じ踊る真理さん、初々しいダンスが秀逸な有名な動画からです。真理さんは、最近雑誌で「この曲ちょっと無理していました。」と言っていますが、どうしてどうして、歌手・天地真理を代表する重要作品であります。


天地真理/「恋する夏の日」 オリコン1位曲(1973.7.16より6週)
(注)申し訳ありません、画像の画郭も音源も変えています。
(原画 リリース前の1973.06.21放送からとみられる)


(E)【考察です】

 「天地真理全盛期のショーは、黄色い声援が飛び交い歌どころではない光景がよく見られたが、この頃のコンサートは落ち着いた構成で、じっくり聞かせるものとなっていた。」
 これは中崎あゆむさんが2006年6月に書き、天地真理プレミアムボックスの解説で、1976年のコンサート「私は天地真理」の収録LPについて語った一節です。・・・・

 その歌どころではなかった「天地真理全盛期」とは、特に1973年(昭和48年)を指すのではないでしょうか・・・
 毎日のように、国民大衆から熱狂的な支持を受け、大型遊園地や都会のデパートなどのライブでは「地鳴りのような声援」を受け、コンサートでは親衛隊の熱狂的波状応援とどうしても真理さんはいい、可愛い、おれの恋人!!と強く思う青年たちの容赦のない指笛に次ぐ指笛を受け、時には怖いほどの直球でそばをかすめる応援のテープが飛び交いました。

 天地真理さんは、リリース前後、音楽的にも感情表現も詩や曲の意味を尊重し、歌手として通常に懸命に努力しようとした。だから、シングル音源がどの曲もあれほど美しいファルセットなのでしょう。

 昭和48年3月21日発売の「若葉のささやき」で、19日後、4月9日から5週、ヒットチャート一位に返り咲き、7月1日発売の「恋する夏の日」で、15日後、7月16日から6週、ヒットチャート一位を保った、「国民的スーパーアイドル ” 天地真理 ” 」。

  45周年記念祭の天地真理さん手をあげて
 (注)昨年秋、2016年10月2日、デビュー45周年記念パーティーで歌う天地真理。かつての親衛隊とみられる方向に手を挙げて挨拶する。「あの頃はファンの為に生きていました。今は娘もいまして自分の為にも生きています。」(2014発売CD、ゴールデン☆アイドル「天地真理」シングルジャケット集から)

 本来、明るくやさしく、ファンの為に生きた天地真理は、熱烈な歓迎をしてくれるファンの前で、大衆の前で、音楽的に上手に美しく歌うという歌手として当たり前のことを表現する心境からは、はるかに遠かったのではないでしょうか。
 特にこの傾向は、1973年夏の「恋する夏の日」の大ヒットで決定的となり、この影響が年末のレコード大賞編曲賞の「若葉のささやき」の歌唱にも明らかに及んだものと思われます。すなわち、「若葉のささやき」を「恋する夏の日」のように元気に歌う天地真理がそこにいました。この傾向は中島さんのF.B.で公開された翌年の「恋人たちの港」の公開録音ステージと思しき歌唱にも見られます。
 この絶頂の人気の時期のパフォーマンスが一般国民の目には当たり前の光景となって、真理さんの歌手としての、彼女のシングルやLPなど求めて聴くことのなかった大衆において、悲しいかな低い評価が定着したのではないかと思わざるをえません。

 だからこそ、先週4月3日のNHKのラジオ深夜便(AMとFM)や歌謡スクランブル(FM)では、あの時代誰もが聴いたヒット曲ではなく、真理さんがその実力で当たり前に美しく熱唱したその他の曲をかけてほしい、かけ続けてほしい、特集してほしい、そのように思うのです。ともかく、4月3日、徳田さんが「君よ知るや南の国」をラストにかけてくれたことがとても良かった。
 そして、今、ファンクラブ事務局が行って来た、行っているスクリーンコンサート(「わたしは天地真理」と「天地真理オン・ステージ」のライブ録音)が重要な意味を持っている事が確かにわかる気がいたします。大都会中心ではありますが・・・

 直近の記事、4月3日のラジオ深夜便を聴いた直後、速報をこのブログに打ちこみながら、なぜか、唐突に、全盛期に真理さんとLPの売り上げを競い、またドラマで共演したこともある吉田拓郎氏に、「天地真理さん、元気ですか!」と励ましの声が欲しいと思いました。あの当時、破格の待遇をうけたといっても、大歓声のステージを務めた日、帰宅しひとりになると悲しく涙していた真理さん。『天地真理』は実に美声の歌手で、美しくかつ愛くるしい笑顔のトップアイドルでしたが、やはりビッグビジネスの頂点たる「スーパーアイドル」はプロダクションによってつくられたいわば「偶像」だったとも言えるでしょう。アイドル後の波乱万丈に、真理さんは苦しみ続けました。しかし今、新しいファンクラブに、スタッフに恵まれて、本来の歌手としての評価を、失われた地を、再び得ようとしているのだと思いたい。だから、あの放送の後、真理さんに「元気です!」と言ってほしいと思ったのではないでしょうか・・・
 
 元気です/吉田拓郎 (画像はもしや摩周湖ですネ)

(おわり)

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明るき癒しの歌声、天性のファルセットを紹介し、悩める日本人を応援します。

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